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山地災害環境研究分野の担当分科

 京都大学理学研究科地球惑星科学専攻地球物理学分野は11の分科に分かれており,当研究室では環境地圏科学分科(王功輝 教授と松四雄騎 准教授)と陸水物理学分科(齋藤隆志 助教)を担当しています.それぞれの分科の研究対象は下記の通りで,私たちの研究室では,特に山地における土砂災害に関連するものを広く取り扱っています.
環境地圏科学分科
 防災研究所の地すべりダイナミクス分野,傾斜地保全分野,火山活動研究センター,災害観測実験研究センター,地震予知研究センターおよび理学研究科地球物理学教室,地質学鉱物学教室,地球熱学研究施設の関連教官とともに理学研究科地球惑星科学専攻の環境地圏科学分科を構成し,人類の生活の場である地球表層陸地部の環境と災害に関する基礎的,応用的な研究・教育を総合的に実施しています.
陸水物理学分科
 陸水物理学は,海洋物理学と相まって,水圏における水の循環過程を明らかにし,湖沼,河川,地中における水の分布状況,流動機構,さらに,水圏と土壌圏・岩石圏との相互作用などを物理科学的な立場から探求する学問で,地球化学,地質学,地形学などの諸科学分野と協力して研究を進めていきます。防災研究所では,地形変化におよぼす地表水および地中水の作用,土石流・火砕流などの混相流の力学,湖沼における循環・渦・波動に関する研究が行われています.

これまでの入学・卒業実績

これまで当研究室に所属した大学院生の出身大学
北海道大学,弘前大学,東北大学,千葉大学,東京理科大学,東京都立大学,早稲田大学,専修大学,信州大学,金沢大学,滋賀大学,京都大学,立命館大学,同志社大学,京都府立大学,大阪府立大学,大阪市立大学,大阪教育大学,神戸大学,広島大学,島根大学,山口大学,徳島大学,高知大学,愛媛大学,鹿児島大学,九州大学,琉球大学,国立台湾中興大学,中国西南交通大学 (順不同)
大学院生の学部時における専攻
地質学,地形学,地球物理学(気象学,古地磁気学),地球化学,自然地理学,岩石学,砂防工学,森林科学

当研究室では,入学者の過去の専攻は一切不問.過去よりも未来! 必要なのは情熱です.
志望される方は,ぜひ一度,ご連絡下さい.
また研究内容,研究室の雰囲気,卒業後の進路などについても,お気軽にお問い合わせ下さい.
皆さんからのご連絡,ご来訪をお待ちしております. 問い合わせ先はこちら

これまでの卒業生の研究テーマ(山地災害環境研究分野発足以降)

2019.3
太田凌嘉(修士課程修了):過度な森林資源の収奪を受けた山地における流域の削剥履歴と斜面安定性の遷移: 樹木根系の効果を考慮した土層発達の定量的モデリング
勝見泰次(修士課程修了):南海トラフ地震による大規模崩壊の地質・地形的特徴
辻哲也(修士課程修了): 基盤地質および流域からの土砂供給に支配された穿入蛇行河川の発達:四万十川中流区間における実証的研究

2018.3
平田康人(博士課程修了):柱状節理の発達した火成岩の組織・構造とそれに規制された球状風化メカニズム
佐藤達樹(修士課程修了):地震時崩壊発生場を規制するテフラ層序とハロイサイトの生成過程 -平成28年(2016年)熊本地震により発生したテフラ斜面の崩壊を例に-

2017.3
當坂康紘(修士課程修了):異なる気候環境下の花崗岩山地における土層の形成速度: 岩盤の化学的風化が及ぼす影響

2016.3
平松日祥(修士課程修了):接触変成帯および断層破砕帯を伴う付加体からなる大起伏流れ盤斜面の重力変形: 花折断層沿いの比良山地西側斜面を例として

2015.3
平田康人(修士課程修了):柱状節理の発達した花崗斑岩の球状風化メカニズム―皮殻に包まれたコアストン形成の物理・化学過程―

2014.3
Tsou Ching-Ying(博士後期課程修了):Landscape evolution by fluvial processes and gravitational slope processes in tectonically active mountains in Taiwan
中野真帆(修士課程修了):2009 年パダン地震が引き起こした崩壊性地すべりの地形・地質的特徴―古期風化帯に載った降下軽石堆積物の風化と地形発達史から見た崩壊の発生場―

2013.3
樋口衡平(博士後期課程修了):湿潤亜熱帯気候下のバッドランドにおける泥岩の急速風化・侵食のメカニズム : 台湾南西部鮮新-更新統泥岩地域の例

2012.3
外山真(修士課程修了):山地斜面における土層厚の空間分布推定とそれを用いた斜面安定性の評価―京都・白川の比叡花崗岩を基盤とする流域を例として―

2011.3
針山岳大(修士課程修了):岩盤内部の萌芽的すべり層の特徴と発達過程

2010.3
児平哲彦(修士課程修了):はんれい岩の風化と侵食に対する岩石組織の影響

2009.3
山崎新太郎(博士後期課程修了):泥質片岩のすべり層の発生場と発達過程の研究―多元的な構造・組成解析に基づいて―
平石成美(修士課程修了):河川の遷急点と谷壁斜面の遷急線が示す山地の地形発達過程―紀伊山地中央部の例―
高橋優子(修士課程修了):風化花崗岩地域の崩壊と土砂生産履歴―滋賀県甲賀市多羅尾地区の例―
樋口衡平(修士課程修了):台湾南西部におけるバッドランド地形の形成過程

2008.3
土志田正二(博士後期課程修了):航空レーザ測量データを用いた斜面崩壊地形の詳細解析
戸邊隼人(博士後期課程修了):風化花崗岩類の表層崩壊と風化形式,および岩石組織との関係について
根木菜摘(修士課程修了):花崗岩に発達するマイクロシーティングの特徴とその成因
松澤真(修士課程修了):集中豪雨による表層崩壊の発生場−白亜系和泉層群堆積岩の例
松本充弘(修士課程修了):四国北東部,阿讃山脈中部の斜面形成過程と地すべり

2007.3
川原千夏子(修士課程修了):未固結浅海堆積物の降雨による崩壊発生場の地質的制約−更新統下総層群の事例

2006.3
山崎新太郎(修士課程修了⇒博士後期課程進学):泥質片岩風化帯の形成過程とその形成メカニズム,および,その風化過程と地すべりとの相互関係について
山本祐介(修士課程修了):室生溶結凝灰岩をキャップロックとする地すべりの地質規制分布と形態的特徴
吉田昌弘(修士課程修了):1968年十勝沖地震によって発生したテフラの崩壊と風化との関連について

2005.3
戸邉勇人(修士課程修了⇒博士後期課程進学):愛知県小原村の風化花崗岩類における崩壊密度,岩石組織,および風化性状の定量的な関係
根本淳(修士課程修了):メランジュ分布域における地質と地形の関連性について−赤石山地南部の四万十帯におけるメランジュを例として−
土方英明(修士課程修了):風化花崗岩斜面における降雨浸透過程と表層の斜面移動に関する研究−信楽花崗岩の事例−

2004.3
今井千鶴(修士課程修了):風化花崗岩を浸透した地下水の化学的特徴について

2003.3
宮崎裕子(修士課程修了):2000年神津島近海地震とその後の降雨による崩壊発生の地質・地形的要因について−流紋岩質溶岩と火砕物からなる斜面の崩壊の例として
加藤弘徳(修士課程修了):中央構造線断層運動と山体重力変形の相互作用−四国の法皇山脈を例として
古木宏和(修士課程修了):風化初期段階で形成される田上花崗岩のマイクロクラックの特徴と花崗岩タイプとの関係
平木武志(修士課程修了):横ずれ活断層の破砕帯と山地地形の形成について−花折断層沿いの比良山地西部を例として

2002.3
横山 修(修士課程修了) :非溶結火砕流堆積物の風化帯構造,およびその降雨浸透過程への影響−−南九州に分布するシラスを例として
目代邦康(博士後期課程修了:トップリングタイプの岩盤クリープによる山体の重力変形に関する地形学的研究

2001.3
筒井和男(修士課程修了):別府扇状地における地下の水貯留が重力の時間変化に及ぼす影響
諏訪陽子(修士課程修了):奈良県柳生における花崗岩の球状風化

2000.3
伊藤栄紀(修士課程修了):風化花崗岩の急速再風化に関する研究−滋賀県信楽町の掘削斜面を例として
中崎宏昭(修士課程修了):雲仙と焼岳における土砂流出の季節変化とそのメカニズム