南アフリカ紀行

2002年9月15日から21日まで,南アフリカのダーバンで国際応用地質学会(IAEG)が開催され,出席してきました.日本からは15人ちょっとの人が参加し,全部で300人くらいだったでしょうか.学会の様子はともかくとして,初めて見た南アフリカが感動的だったので,写真を交えて紹介しましょう.

African surface
アフリカは,今から1億6千年前まで南米,インド,南極とともにゴンドワナ大陸を構成していました.それが,泣き別れてそれぞれの大陸になったわけです.
私は,台北,シンガポール経由でヨハネスブルグに到着し,そこから国内線に乗り換えて,ダーバンに行きました.ヨハネスブルグに着くまで30時間,そこから1時間弱でダーバン.いい加減疲れていたけれども,ヨハネスブルグからダーバンまでの飛行機からみおろす景色はそれをおぎなってあまりありました.それは,それまでに見たことのないものでした.真平で,とにかく谷がないのに驚き.今までも北米やシベリア,北欧などの平らなところの上を飛行機で飛んだことはありますが,こんなに谷がなかったところはなかったように思います.ところどころに川らしいものはあるのだけれども,ほとんど削りこんでいないから,谷の形が認められない.大地は赤茶けていて,耕作のあとらしい模様はあるものの,緑はほとんどなし.

AFRICANSURFACE

 

それが,ダーバンに近づくと,少しずつ緑が出てきて,谷が認められるようになりました.これはきっとヨハネスブルグに比べて雨が多いためだろうと思いました.

AFSFGREN .JPG - 127,664BYTES

AFSFEROD.JPG - 123,413BYTES

でも,後でAfrican Surfaceの話を聞いて,雨よりもむしろ隆起の影響の方が大きいということがわかりました.ダーバンのある南アフリカ東部は,白亜紀初期に隆起し,さらに中新世にも大きく隆起しました.そして,この白亜紀に隆起して中新世に隆起するまでの間,地表は長く侵食を受け,標高の極めて低い平坦面になり,それが広範に広がっているAfrican Surfaceなのだそうです.中新世の隆起以降African Surfaceは侵食を受け,その結果が谷として認められているのだそうです.African Surface下の岩石は非常に長い間地表にさらされていたために,深くまで風化しています.

プレカンブリアンの花崗岩にもマイクロシーティングがありました.

  トップページに戻る